データをチャンスに変える今月の指標-データ品質基準(続き)
高品質データは単なるベンチマークではなく、世界的な信頼、コンプライアンス、相互運用性のために戦略的に必要なものです。このブログでは、GLEIF のデータ品質管理及びデータ・サイエンスの責任者であるゾルニツァ・マノロワ が、LEI データが信頼性、最新性及び金融機関、規制当局及び市場参加者によるグローバルな使用に 適合することを確保するための GLEIF のデータ品質管理フレームワークの一部として、データ品質基準の役割とその重 要性について引き続き探求する。
相互接続が進む世界経済において、組織がデータを信頼し効果的に利用する能力は、革新、成長、 競争力の基盤である。
高品質なデータ・エコシステムは、組織が新たな機会を特定し、それを捉えることを可能にする変化とイノベーションの推進力である。同時に、データ品質が低いと非効率となり、規制リスクや風評リスクにさらされることになります。
GLEIF は、LEI データの品質、信頼性及び有用性の最適化にコミットしている。2017 年以降、グローバル LEI システムで達成されたデータ品質の全体的なレベルを透明性をもって示すため、専用の月次レ ポートを公表している。
GLEIF のデータ品質イニシアチブのより広範な業界の理解と認識を助けるため、この新し いブログ・シリーズは、報告書に含まれる主要な指標を探求する。
今月のブログは、引き続きデータ品質基準を検討する。
今日のデータ主導型経済において、高品質の取引主体データを使用することは、イノベーションを推進し、コンプライアンスを確保し、グローバル市場における信頼を醸成する上で極めて重要です。GLEIF は、取引主体識別子(LEI)記録を客観的に評価するための 12 の明確で測定可能な データ品質基準を定義する構造化されたデータ品質管理フレームワークを通じて、可能な限り高 い基準を確保する。
今月の指標」シリーズにおけるこれまでのブログは、以下の基準を探求してきた:正確性」、「包括性」、「一貫性」、「完全性」、「代表性」及び「妥当性」。今月号は、残りの 6 つの必須基準である「アクセス可能性」、「完全性」、「通貨性」、「証明力」、 「適時性」及び「独自性」に焦点を当て、LEI データの完全性とグローバルな有用性の維持を支援するため に、構造化された測定可能なチェックを通じて、それぞれがどのように評価されるかを検証する。
アクセス可能性、完全性、通貨性、証明力、適時性及び独自性のスポットライト
データのアクセス可能性、完全性、最新性、十分な情報源、適時性及び一意性を確保することにより、 GLEIF は、信頼できる取引主体データへの世界的な需要が高まる中、データ品質基準を支持し強化 する信頼できる枠組みを積極的に維持する。
アクセシビリティ:データがアクセス可能であり、責任を持って利用可能であることを確保する。
アクセス可能な LEI データは、規制当局からフィンテック企業に至るまで、幅広い関係者が信頼できる 情報を迅速かつ効率的にシステムに統合することを可能にする。
アクセシビリティは、堅固な保護と管理が行われていることを確保しつつ、LEI データが 容易かつ合法的に入手可能である程度を測定する。実際には、これは、データが、その使用について適切なガバナンスを維持しつつ、API 又はダウンロード可能なファイル等を通じて、オープンに利用可能であるべきことを意味する。
アクセシビリティは現在、12の 専用チェックを通じて評価されており、8月には平均データ品質スコア99.99を 達成している。チェック項目には、ローカル識別子が提供され、妥当であることの確認や、ブランチ・エンティティが登録されているかどうかの確認などが含まれる。
完全なデータは、デューデリジェンス、事業体解決、ネットワーク分析などの重要なユースケースをサポートするために不可欠である。
完全性は、すべての必須データ要素が LEI の記録に記載されているかどうかを評価する。法 人名、住所、登録情報のような必須フィールドが含まれていることを検証することは、各 LEI レコードが完全に入力され、運用上使用可能であることを確保する。
焦点を絞った11 の 確認により、「完全性」は 8 月を含め一貫して平均データ品質スコア99.99 を 達成している。チェックの例には、取引主体区分の提供の義務付け、有効な取引主体法的形式コードの使用 の確保、最終親会社が完全な関係情報を有しているかどうかの評価が含まれる。
最新のデータは、金融機関、規制当局及びデータ・ユーザーが、変化の速い市場においてタイムリー な意思決定のために LEI に依拠できることを保証する。
通貨は、LEI データが引き続き適切かつ最新であるかどうかを評価する。最新」のデータ・ポイントは、特定の時点における正確な情報を反映する一方、古 いエントリーは利用者を誤認させる可能性がある。
カレンシーは、失効した取引主体の次回の更新日が妥当であること、及びレベル 1 とレベル 2 の両データが同様の更新サイクルを経ていることを確認するための2 つの チェックを通じて評価される。8月の持続的な高品質パフォーマンスは、100.00 スコアに反映された。
データ・プロベナンスを理解することは、監査可能性、説明責任をサポートし、国境を越えた情報交換における信頼を高める。
プロベナンスは、各データ要素の履歴や血統に焦点を当てます。データの出所や経年変化の背景を明らかにし、参照データの系譜を透過的に明らかにすることで信頼性を高めます。
プロベナンスは11の 専用チェックを通して測定され、8月には平均データ品質スコア99.99を 達成するなど、常に優れた結果を出しています。これらのチェックには、取引主体識別子の正しい書式の検証、引退した取引主体についてもっともらしい取引主体イベントが報告されていることの確認、完了した取引主体についてすべての後継者が適切にリストアップされていることの確認などが含まれます。
LEI 記録のタイムリーな更新は、古い情報への依存を防止し、オペレーショナル・リ スク及びレピュテーション・リスクを軽減することに資する。
通貨性が、LEI データが適切かつ最新であるかどうかを評価するのに対して、適時性は、 データが意図された目的のためにいかに迅速に利用可能であるかに関係する。これは、利用者がコンプライアンス、デューデリジェンス、又は 分析のためであろうと、LEI 情報を必要とする時に、データが不当に遅延することなくアクセス可能 であることを確保するものである。
適時性は、完了した取引主体イベントの効力発生日の提供の義務付けを検証し、報告された取引主体 の設立日が妥当であることを確認する2 つの ターゲット・チェックを通じて評価される。8月の99.99という スコアに反映されるように、高い品質を維持している。
一意の LEI は、法域、データセット及びシステム間で取引主体データをリンクするための信頼できるアンカー を提供する。
一意性は、LEI コードのような各データ要素が一度だけ表示され、グローバル LEI システム全体で明確に一意であることを保証する。このチェックにより、二重付番や曖昧さが回避され、データセットの整合性と有用性が保たれる。
実施されている8 つの 特定の確認により、独自性は一貫して高いパフォーマンスを示し、8 月にはデータ品質スコア99.99 を獲得した。このチェックには、許可された移転以外での一意性違反の防止、取引主体や代替言語の住所における冗長性の検出、国ごとに取引主体ごとに1つの支店レコードしか存在しないことの確認などが含まれます。
データをチャンスに変える
アクセス可能性、完全性、通貨性、証明性、適時性及び独自性は、LEI データの完全性、有用性及び 信頼性を維持する上で、引き続き基礎的な柱として機能する。
GLEIF は、構造化された評価及び協力的な協議を通じて、これらの基準を継続的に改善し ているが、これは、意味のある測定可能な方法でデータ品質を前進させるという強いコミットメントを 反映したものである。LEI の役割がセクターを超えて拡大する中、GLEIF は、弾力性があり将来を見据えたものであるだけでなく、 世界のデータ・ユーザーのニーズを中心としたデータ品質の枠組みを支持することに引き続き専心する。
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