数字で見るLEI:第 3 四半期も導入と更新の持続的成長が続く
取引主体識別子(LEI)の採用と更新の成長は、ユースケースの拡大が続く中、規制当局のイニ シアティブと自主的な市場主導の取り込みによって牽引されている。
グローバル LEI 財団(GLEIF)は、無料で一般に利用可能な LEI システム・ビジネス・レポート(四半期 ごとに発行)を通じて、世界中の最新の LEI データへの無制限のアクセスを提供するオープン・ アプローチを含む、その継続的な透明性イニシアティブに誇りを持っている。この「数字で見る LEI」ブログ・シリーズを通じて、GLEIF は、最新報告書から主要データを取り上げ、世界的な LEI 展開の傾向を説明し、成功事例を紹介することを目指す。
LEI の導入は 2025 年第 3 四半期に拡大し続けた。世界で約 8 万 1,000 の LEI が発行され、有効な LEI の総数は 286 万超に増加した。これは、四半期ベースで 2.9%の力強い成長率-特に通常の季節的減速の影響を考慮すれば-であり、2024 年の同時期(2.7%)より増加している。
2025年1月の欧州連合(EU)のデジタル・オペレーショナル・レジリエンス法(DORA)の適用により、年間を通じて利用が拡大し、第3四半期も特にラトビア(5.4%)とリトアニア(4.5%)の成長に寄与した。
インド(9.3%)は、インドの銀行の全ての大口法人借り手に対する LEI の段階的導入の完了を受けて、最も高い成長率を維持した。その他では、アラブ首長国連邦(5.3%)及びサウジアラビア(4.8%)の中東の管轄区域では、地 元の LEI 発行者の市場活動が引き続き LEI 導入を促進した。
更新率は引き続き上昇
LEI 採用の力強い伸びは、LEI 更新の増加により再び補完され、3 四半期連続で増加し、57.1% (前四半期 56.4%)に達した。更新率が最も高い国・地域は変わらず、日本(90.9%)がトップで、フィンランド(83.2%)、 インド(79.6%)、ドイツ(77.3%)、リヒテンシュタイン(74%)が続く。
EUでは更新率は62.2%に達した。EU以外の国・地域でも更新率が上昇し、49%に達した。この上昇(特に米国と英国)は、主として LEI の自発的な導入と適用に起因するものであり、業界参加者が LEI の伝統的な起源である資本市場を超える利益を実現しつつあることを示している。
重要な重点分野の一つは、より相互運用可能で包括的なデジタル取引エコシステムの構築の推進で ある。例えば、英国国際商業会議所(ICC)は、グローバル・サプライチェーンのデジタル化を可能にし、何兆 もの経済的機会を解き放つために、LEI の利用拡大を提唱している。また、国境を越えた決済、デジタル資産、ESG 報告、その他を含む様々なユースケースに おいて、信頼性と透明性を高める LEI の役割への関心が高まっている。
2022 年 3 月に初めて導入された LEI データ形式に関する規制監視委員会(ROC)の方針について、約 6,500 の主体が政府機関として(2025 年第 2 四半期の 6,400 から増加)、74 の主体が国際機関として特定された。15 万 1,000 を超える取引主体が資金関係構造を報告し、前四半期から 3,100 超増加した。
LEI の発行状況と成長の可能性、グローバル LEI システムにおける LEI 発行組織間の競争レベ ル、レベル 1 及びレベル 2 参照データに関する更なる詳細を含む報告書全文は、グローバル LEI システムビジネスレポートのページを参照。
読者は、2022 年 3 月に規制監視委員会(ROC)の方針に基づいて CDF のフォーマットが更新された ことに留意されたい:取引主体イベント(旧称「コーポレート・アクション」)及びグローバル LEI システムにおけるデータ 履歴 、グローバル LEI システムにおける投資ファンドの登録のためのファンド関係及びガ イドラインに関するポリシー 、並びに一般政府機関の LEI 適格性ガイダンス・ドキュメント 。
最新の LEI データを日々確認することに興味がある場合、グローバル LEI システム統計ダッシュボードは、発行された LEI の総数及び有効数に関する日々の統計を含む。この機能は、現在、全ての利用者が地域別に過去のデータをレビューすることを可能にし、LEI の全体的な進捗に関する透明性を高めている。
詳細又は過去のデータへのアクセスについては、グローバル LEI システム・ビジネス・レポート・アーカイブ を参照。我々は、2025 年の LEI 普及を推進し続けるため、四半期毎に進捗状況を共有することを楽しみにしている。
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著者について:
アレクサンドル・ケシュはGlobal Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF) のCEOです。
GLEIF入社以前、アレクサンドル・ケシュは、SIX Digital Exchangeでデジタル証券部門の責任者を務めていました。アレックスは、取締役会のメンバーとして、販売および関係管理、製品開発、ビジネス設計、エコシステムの拡張など、デジタル証券事業部門の全責任を担っていました。
アレックスは過去25年間にわたり、BNY Mellonで金融、SWIFTで決済/証券インフラストラクチャと標準、Onchain Custodian (ONC) と最近ではCiti Venturesでブロックチェーンとデジタル資産を組み合わせたユニークなキャリアを築いてきました。アレックスはONCの共同創設者兼CEOとして、シンガポールと上海を拠点とするチームを率い、暗号資産やその他のデジタル資産の保管およびプライムブローカレッジサービスをゼロから構築しました。Citi Venturesのブロックチェーンおよびデジタル資産担当ディレクターとして、ブロックチェーン技術とデジタル資産の新しいユースケースについて、ヨーロッパのエコシステムと連携するためのチームを構築しました。
アレックスは業界および標準化の取り組みにも携わっています。ISO 24165デジタルトークン識別子(DTI)を制定したISO TC 68/SC8/WG3の議長であり、DTI Foundation製品諮問委員会のメンバーです。また、最近ではグローバルデジタルファイナンス (gdf.io) 保管ワーキンググループの共同議長も務めました。
アレックスは、Onchain Custodianの構築と並行して、翻訳の学士号と、Quantic School of Business and TechnologyのエグゼクティブMBAを取得し、理論を即座に実践に移してきました。
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データ管理 , データ品質 , 法人形態コードリスト , オープンデータ , グローバルLEIインデックス , Global Legal Entity Identifier Foundation (GLEIF)